10代の「乗り遅れたくない」気持ちとFOMO|流行を追う心理と、企業が守りたい付き合い方
話題についていけないと不安になる。そんな「乗り遅れたくない」気持ち(FOMO)は、10代の消費にも影響しています。どんな場面で強くなるのか、企業がこの気持ちとどう向き合えばよいか、あおらない伝え方を解説します。
「みんな知ってるのに、わたしだけ知らない」
FOMO(フォーモ)という言葉があります。英語の Fear of Missing Out の頭文字で、「取り残されることへの不安」という意味です。友だちが楽しそうにしている話題を自分だけ知らない、みんなが持っている物を自分だけ持っていない。そんなときの、そわそわした気持ちです。
10代は友だちとの関係を大切にする年代です。そのため、この「乗り遅れたくない」気持ちが、消費にも影響すると言われます。この記事では、企業がこの気持ちをどう理解し、どう付き合うべきかを考えます。
FOMOが強くなりやすい場面
10代の「乗り遅れたくない」は、こんな場面で強くなると考えられます。
- 教室で話題の動画や番組の話が出たとき
- 友だちのストーリーズで、自分が行っていない場所の写真を見たとき
- 推しの新情報が出て、ファン同士が盛り上がっているとき
- 「いま流行ってる」と紹介された物を、まだ試していないとき
共通しているのは、物そのものより「会話に入れるか」「同じ体験を共有できるか」が気になっている点です。10代のFOMOは、物がほしいというより、つながりから外れたくない気持ちに近いのです。
流行のスピードが、FOMOを強くする
2026年上半期を見ても、10代の流行は多様で、入れ替わりも早いものでした。株式会社AMFの「JC・JK流行語大賞2026上半期」では、11年前のYouTube動画から生まれた言葉「ワホー」がコトバ部門1位に。昔のネタが突然新しく広まることもあり、何が次に来るかは予想がつきません。
こうした状況では、全部を追いかけるのは無理です。だからこそ、10代は「全部は追えない」ことも知っています。乗り遅れたくない気持ちと、追いかけ疲れの両方を抱えている、と考えたほうが実態に近いでしょう。
企業がやってはいけない「あおり」
FOMOは、うまく使えば販売を伸ばす力になります。けれど、10代に向けて強く使うのは危険です。次のような表現は避けたいところです。
- 「持ってないのはあなただけ」
- 「まだ買ってないの?」
- 「みんなもう始めてる、急いで!」
こうした言葉は、10代の不安を直接つつきます。一時的に売れても、買ったあとに「焦らされた」という気持ちが残ります。親が見たときの印象も悪くなります。
FOMOに寄りそう伝え方
あおるのではなく、「乗り遅れても大丈夫」と思える伝え方のほうが、10代には長く受け入れられます。たとえば、次のような工夫です。
- 発売日を早めに伝えて、準備する時間をつくる
- 限定品でも、受注や再販の予定があれば先に知らせる
- 「今からでも楽しめる」入り口を用意する
- 少ない金額で参加できる選択肢をつくる
言いかえの例を比べてみます。
- よくない例:「まだ間に合う!急がないと終わっちゃう」
- よい例:「○日まで予約できます。あとから始めても楽しめるシリーズです」
10代自身の「休みたい」気持ちにも目を向ける
SNSを少し休む、流行を追わない時期をつくる。そんな10代もいます。全員がいつも流行を追いかけているわけではありません。
同じ調査では、人間関係をちょっと冷めた目で見る「冷笑系」や、仲良しに見えて実は敵という意味の「フレネミー」もコトバ部門の上位に入りました。友だちとのつながりを大切にしながらも、どこかで距離をとりたい気持ちがある。そんな複雑な気分がうかがえます。「みんなと同じでなければ」というプレッシャーから少し離れたい10代も、決して少なくないはずです。
企業のメッセージが、「追いかけなくてもいい」「自分のペースでいい」という気持ちを否定しないことも大切です。安心できるブランドは、追いかけ疲れた10代にとって、戻ってきやすい場所になります。
10代の「いま」の気分を知る
10代が何に乗り遅れたくないと感じ、何に疲れているのか。それは、本人の気分の言葉にあらわれます。
TrendVoiceでは、10代がプロフ帳に書いた「いまの気分」や「いま流行ってるもの」が集まっています。企業向けプランでは、その声にAIで質問できるので、あおらずに届ける伝え方を考えるヒントにしてください。
公開日:2026-10-31 文:TrendVoice編集部
TrendVoiceには、10代がプロフ帳を書いて遊んだ声が届きます。企業向けプランでは、たまった声に自由に質問できます。
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